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| ・塩ビシートにはいろいろな種類があるようですが違いを説明してください。 |
| いろいろな分類方法がありますが、まずはフィルムの製造方法の違いから大きくわけてキャスト製法とカレンダー製法に分類されます。 キャスト製法とはもともと硬い物質である塩ビを粒(ペレット)状にしたものを多量の溶剤(可塑剤)に入れて溶かし液状にする。 この液体をシリコンなどを塗布した紙のようなものの上にたらし、熱風乾燥機の中を通過させ可塑剤を揮発させ、最後に残る薄い膜状のものがキャスト製法により製造されるフィルムです。 製造するためには多量の可塑剤と再度これを揮発させ、環境への負担を減らすため結局燃焼させるため、材料の無駄が多く、コストがかかります。 製造のロットは比較的小さくても製造可能です。 製品は材料が一度液体状になってからいわば自然に乾燥したいわば和紙をすくようなものであるため安定しており、施工後の縮みがすくなく、曲面への応用も幅が広い。 一方、カレンダー製法とは同じ塩ビのペレットに少量の可塑剤をかけ、多少やわらかくなったものをロール状の棒のようなもので圧力をかけて平らに延ばしたもので、いわばそば、うどん、ピッツァを作る要領に似ています。 無駄になる材料が少ないことと大量生産が可能なため一般的にuあたりのコストは安くなります。 ただし、製造装置にかかる費用はキャスト製造設備に比べて大幅に高く、大量生産をしてはじめてコストが安くなります。 キャストフィルムにくらべて最終製品の薄さに限界がありフィルムの中に残る張力も比較すると高い。 どちらかといえば平面用に向いているといえます。 ただし、キャストフィルムの中にも材料の差や、製造技術の差があり、一概にキャストフィルムだからカレンダーフィルムよりも良いとはいえません。 また、カレンダー製品の中にも素材、製造設備、製造技術の差により品質にはかなりの幅があり、かなり品質の劣るものからキャストフィルムに負けない品質のものもあることにはご留意ください。 |
| ・カレンダー製法に基づくフィルムにもいろいろ種類があるのですか? |
| 大きく分けるとモノメリックタイプとポリメリックタイプに分類されます。 ともに可塑剤の種類の違いをあらわしています。 可塑剤とは塩ビを溶かし、柔らかくする材料のことですが、ポリメリックタイプはいわばそもそも高分子化合物なのですがその分子構造が複雑でいわば亀の子といわれる分子構造をあらわす手足が長いものとご理解ください。 逆にモノメリックタイプはその分子構造が比較的単純であるといえます。 分子構造が複雑で広げた長い手足が互いに結合しあい、絡み合っているためお互いが離れにくく薄く延ばしても割れないし、ひっぱってもそう簡単にはちぎれません。 より安定しているため空気中に自然に飛び出していったりフィルムの表面にそう簡単には飛び出してきません。 そのため耐候年数も長い。 また溶剤インクなどで印刷する場合も仕上がりがきれいです。 一方モノメリックタイプは手足が短く、分子同士の結びつきも単純なため、無理に延ばしたり、引っ張れば敗れてしまうことがあります。 比較すればより不安定なため、温度、湿度、圧力などの影響を受けより容易に活性化するため、耐候年数も比較すると短い。 可塑剤がフィルムの表面に出やすいため比較すれば溶剤系インクなどでのプリント時には製品の品質によってはインクが染み込みが不安定になる場合があります。 モノメリックタイプの可塑剤の方が材料コストが低いためモノメリックタイプのフィルムの方が安い場合がおおいのですが、最終製品の価格の差には可塑剤以外にも使用する顔料のよしあしも加わりますので単純な可塑剤だけのコストの差だけではありません。 モノメリックフィルムとポリメリックフィルムの違いのほかに製造設備、製造技術、原材料のよしあしなどにより最終製品としてのフィルムの品質にも千差万別の違いがあります。 素人が粗悪な材料をこねて延ばしてきった蕎麦と、プロが材料を厳選して作る蕎麦では、その違いが一般の人にもすぐわかることと同じなのです。 |
| ・キャストフィルムにも違いがあるのですか? |
| すでにお気づきのことと思いますが、やはり材料のよしあし、製造設備、製造技術、経験、保管環境、品質管理基準その他の差により、同じキャストといえども明らかな差があります。 キャストフィルムといえども粗悪品になると、製造ロットごとに色が微妙に、あるいはかなり異なる、厚みが不均一でカットしてカス取りするときに一部はきれいにとれるが一部は切れていない、あるいは溶剤系インクジェットプリンタでプリントしたあとに縮みが大きい、あるいはチューインガムのようにやわらかくなってしまい寸法制度がだせないので、ラミネートフィルムを貼らないと施工できないなど経験した方はありませんか? |
| ・3年もの、5年もの、7年もの、10年ものなどと耐候性能をうたっていますが実際の耐候年数はそのとおりなのでしょうか? |
| 一般的には使用する可塑剤、塩ビ、顔料、製造方法以外に貼る場所、気候、環境などにより屋外での耐候性能が異なります。 良心的なメーカーはその耐候年数を測定する基準を明らかにしています。 たとえば、Orafol、MACtac、Averyなどの欧米の一流メーカーでは通常、条件としてメタル上に貼りつけた塩ビシートを垂直方向に立てて、欧州中部(もっぱら製造メーカーの所在する場所)での平均的な気候を前提として加速度試験を行い得られた理論値であり、保証値では無いとうたっています。 ただし、それでも何をもっていわゆる寿命と判断するかの基準は示されていません。 色物であればもともとの色からデルタEがどの程度変化したかなどを正確に表示する必要があるでしょう。 各メーカーでは万一の市場クレームを避ける意味からある程度マージンをとって数値を発表していると考えられますが、しかし、これも各メーカーのポリシーによるところが大きく、いわゆる耐候年数はひとつの目安と考えたほうがいいでしょう。 そうでなくても日本でも北海道と東京都内と沖縄では温度、湿度、紫外線などの差以外にも排気ガス、亜硫酸ガスなどの差も大きく、同じ場所でも日照時間、太陽光線のあたる角度、時間帯にも大きな差があります。 自動車などの車両に貼った場合などもドアに貼る場合とボンネット、屋根に貼る場合では条件が大きく異なります。 性能を比較する場合は同じ条件のもとで比較する必要があります。 ちなみに、マーキングフィルムではなく、溶剤系インクジェットプリンタ用糊付塩ビの場合は使用するインクの種類、量、プリント後の処理、乾燥時間、などにより耐候年数は大きく影響を受けるため、どのメーカーも印刷後の耐候年数に関しては一切の表示を避けています。 インク自体の耐候年数や溶剤の強弱の差もあり、これからすれば1年から数年というのが現実的な幅だと考えられます。 |
| ・カス取りのしにくいフィルムとしやすいフィルムがありますがなぜですか? |
| これは多分に個人的判断や慣れの要素もあるので一概には説明できませんが、それでもやはり製品の品質の差やカッティングの仕方などによりやりやすい、やりにくいがあることも事実です。 まずは製品の品質の差によるカス取りの難易度の差について説明します。 糊付の塩ビフィルムは大まかにいえば塩ビフィルム、糊、ライナーおよびその上に塗布されているシリコンの層により構成されています。 そのどれもが均一な厚みを持っていれば最終製品としての糊付塩ビシートが均一な厚みを持つ可能性が高いといえます。 ただし、均一な厚み以外に塩ビシート、糊、シリコン、ライナーとのマッチング、それぞれの材料の品質のよしあしなどによりよっても大きく影響を受けます。 さらに実際はこれ以外にConverting(巻き取り加工)技術、紙管の品質、梱包、保管環境、輸送方法、お客様の保管、使用環境・条件などにも影響されます。 まず材料の均一な厚みを得るためには均一な厚みを持つ塩ビシート、均一に塗布された糊、均一に塗布されたシリコン、均一な厚みを持つライナーペーパーが必要です。 しかしそれぞれにばらつきを100%遮断し絶対値としての誤差ゼロを求めることは不可能です。 それぞれの材料ないし塗布技術において現実的に達成可能な最高のレベルの均一性を達成したとしても塩ビフィルム、糊、シリコン、紙それぞれの厚みのばらつきが相乗されるため、最終製品における厚みのばらつきには使用するフィルムと紙の品質のよしあし、糊、シリコンの塗布技術、使用する紙管の品質、巻き取り技術などの相乗効果にてそのばらつきがさらに拡大します。 この厚みのばらつきがある部分では適当な深度でカットできるのにあるところでは深過ぎ、あるいは浅過ぎとなり、きれいにカス取りできる場所とできない場所ができたりする原因になります。 この基本的な製品の品質の良否を判断することは非常に重要なことなのですが、忘れてはならないのが製品ごとに厚みには違いがあるということを認識することです。 すなわち同じメーカーのシートでもキャストフィルムと、モノメリックフィルムおよびポリメリックフィルムでは往々にして厚みが異なります。 それぞれのフィルムの厚さにあわせてカッティングプロッターのカッターの深度を調整する必要があります。 いわゆる「カス取りがしにくい」というのがこれまでつかっていたフィルムにあったカッターの深度で新しく試そうとする品質的には上のグレードの製品を深度調節をしないままでためしにカットしてみて深度が合わず、深過ぎないし浅過ぎるカットが原因で「カス取りがしにくい」場合が多々見受けられます。 また、カッターの歯が寿命にきていれば深度があっているように見えても一律にきれいな深度でカットできていないため、一部の糊をカットできなかったりしてカス取り不良の原因になる場合があります。 もちろんプロッターの整備不良も原因になりかねません。 さらにこの問題を複雑にしているのは糊とシリコンのマッチングがメーカーのデザインや設計、哲学により各社各様に異なるため使い慣れている製品とカス剥離にかかる力が微妙に異なるため、いつもと感じが違うだけで「カス取りがしにくい」という表現になってしまうこともあるようです。 後半に述べたカッティングプロッターのカッター、深度調節などをそれぞれのフィルムにあわせて調節した上でカス取りの難易度を判断するようにしましょう。 せっかく品種が良くて安く手に入るものを安易な判断で退けることは得策ではありません。 |
| ・アプリケーション・テープはどのようなものを使用するのがいいでしょうか? |
| 一般的にはアプリケーションテープはカットし、カス取りしたあとに離型紙に残っているマ−キングフィルムをはがして、どこかほかに貼りつけるためのものです。 アプリケーションテープには材質的にみて紙製とフィルム製の二つに大別されます。 紙には材質、厚さ、硬さ、透明度、伸縮性、耐水性などの差があり、フィルムにも同様の差があります。 一般的にはフィルムのほうが貼りつける場所の確認がしやすいため作業がしやすいといわれています。 糊については強弱などの特性があります。 弱すぎるとマ−キングフィルムが離型紙からはがしづらいし、強すぎると貼るときにはがれにくいことになります。 一般的には大きな切り文字などの場合には弱粘着タイプを、細かい文字の場合には強粘着タイプが使われます。 ただし、マ−キングフィルムの糊の特性にもよりますが、いずれにせよできるだけ弱い糊のアプリケーションテープを使用することがあとの作業をやりやすくします。 弱い糊のアプリケーションテープでも次のようにすればマ−キングフィルムを離型紙からきれいにはがすことができます: まず、カス取りしたマ−キングフィルムの上にアプリケーションテープを貼り、空気などをきれいに追い出します。 次に、フィルムを使う場合はマ−キングフィルムの離型紙をつけたままで位置あわせをして、離型紙の片方を貼りつける場所にくっつけ、アプリケーションテープが下に、マ−キングフィルムの離型紙が上にくるように裏返します。 そこで離型紙の隅を鋭角に持ち上げながら引っ張り、剥がしてゆけば離型紙がきれいに取れますので、離型紙を剥がしながらマ−キングフィルムをスキージーで抑えながら貼りつけていきます。 この方法で行えば弱粘着タイプのアプリケーションテープでほとんどの作業が可能となります。 また一度使ったアプリケーションテープを何度か使いまわすことも可能です。 |
| ・溶剤系インクジェットでのプリントに向いている糊付塩ビシートはどのようなものですか? |
| 溶剤系インクジェットプリンタおよび溶剤系インクにはいくつか種類があり、それぞれの特性と用途にあった粘着塩ビシートを選ぶことが極めて大事です。 まず溶剤系インクについて大きく次のように分類できます。 本格的溶剤インクでプリンタの種類としてはVutec、NUR、Scitex、Mutohラミレス(エコを除く)DGI、JETiなどがあげられます。 次に同じ溶剤系でも溶剤の塩ビへの浸透力において若干落ちるものとして、Oce(3M)アリゾナ、Mimaki JV/3、SII IP-6600があります。 さらに浸透力で下がるが逆に毒性の少ない乳酸溶剤(ラクテートソルベント)系のエコソルインク(Roland SolJet ProII EX、Mutohラミレス・エコなど)、およびSII IP-6500があります。 これよりさらに浸透力において下がるものにマイルドソルベントインク(Roland初期型ソルジェットやMimaki JV/2 MS)や油性インク(SII IP-4500)があります。 マイルドソルベントや油性インクでは塩ビに直接プリントできません。 表面にインクの受理層をコーティングしたメディアでないとプリントできません。 一般的に、溶剤が強いほうが塩ビへの浸透力が強く乾燥も早いため、塩ビシートへの高速プリントが可能です。 溶剤が弱くなるにしたがって、浸透力が下がるため印刷にも時間をかけてゆっくりプリントしないとにじみやムラの原因となります。 それぞれのインクの特性と用途にあった塩ビシートを選ぶことが大切です。 とくにプロッタでのカッティング用に作られた塩ビシートは溶剤系インクでのプリントのことを考慮して設計・製造されていないためお勧めできません。 |
| ・溶剤系インクジェットでプリントしましたがうまくプリントできませんでした。何が原因でしょうか? |
| プリントする前提として、まず使用するプリンタおよびインクに向いている塩ビシートかどうかを確認する必要があります。 通常はプリンタメーカーないしメディアメーカーから適用プリンタ、ないし適用塩ビシートに関する情報が入手可能ですが、情報が無い場合は事前にディーラーに相性を確認しましょう。 さらに初めて使用する塩ビシートの場合には本番のプリントをする前に必ずテストプリントを行い最適なプリンタの印刷設定を行うことが肝心です。 この印刷設定にはまず、キャリブレーションといってインク各色ごとのグレイスケールが指定の濃度でプリントできているかを確認する必要があります。 濃度調整はインクの噴射量のほかにヒーター温度の設定も重要な要素です。 さらには最適のプリントモード(単方向印刷、双方向印刷、シングルストライク、ダブルストライク、プリントスピード、解像度など)を選択し、次にRIPでハーフトーンの種類、ドットサイズ、カラーカーブなどを調整しプロファイルとして設定する、ないし最適なプロファイルを選択することが大切です。 いくらいい塩ビシートでもプロファイルが最適でないときれいな印刷品質は期待できません。 |
| ・ヒーターの温度調節はどのようにしたら良いでしょうか? |
| 使用するインク、塩ビシート、プリントのモード(解像度、スピード、単・双方向)などによりことなりますので、使用条件によって経験値的にデータをとっていくことが基本となりますが、一般的には温度が低いとインクの染み込みが悪くドットゲインが大きくなり、最悪の場合ムラやにじみの原因となります。 逆に高すぎるとドットゲインが小さすぎてざらざらした感じのプリントなったり、糊が緩み、塩ビシートが収縮して気泡が入ったり、塩ビシートが盛り上がってきてヘッドをこする場合もあります。 |
| ・乾燥時間はどのぐらい必要ですか? |
| 溶剤系インクの種類やインクの噴射量にもよりますが本格溶剤の場合で最低48時間は印刷したシートを平らにしたりつりさげたりして乾燥させる必要があります。 エコソルインクなどの乾燥の遅いインクの場合にはそれ以上の乾燥時間が必要です。 特にラミネート処理をする場合はこれを励行しないと、塩ビの中に残留した溶剤が糊と化学反応を起こし、糊の接着力を著しく低下させる原因になる場合がありますので十分注意が必要です。 これとは別に良く起きる事故の原因として、印刷する会社と施工する会社が別の場合、たとえラミネートフィルムをしない場合でも印刷直後に印刷物をロール上に丸めて発送し、一方、受け取った施工会社がそのロールを数日そのままで放置ないし保管しておいた場合などはてきめんです。 |
| ・印刷物がはがれてしまいました。 どうしてでしょう? |
| これにはさまざまな原因が考えられるため一概にお答えでませんが、良くある事例としていくつかの例をとって説明します: (1) 施工するときの温度がメーカー指定の温度よりも低い場合、あるいは高い場合。 (2) 水貼りを禁止されている製品であるにもかかわらず水貼り施工をした場合。 (3) 溶剤インクジェットプリンタで印刷後、十分乾燥を行わないまま巻き取りしたロールを放置し ておいた場合。 特に、巻き取り装置は狭い場所でもプリンタを設置できるため便利ですが、 糊の性能への影響を考えると必ずしも有利ではありません。 やはり印刷したものはできるだけ 丸めずに広く伸ばして乾燥するに越したことはありません。 乾燥には最低48時間かけましょう。 ラミネートを貼る場合はこれを厳守しないと事故る可能性が極端におおきくなります。 (4) 施工する表面は中性洗剤で洗浄・乾燥後、アルコールなどで油性物質を完全に取り除き、埃などの汚れの 無いところで施工する必要があります。 どの条件がかけても剥離の危険が残っていると考えてください。 (5) 本来平面用につくられている塩ビシートにプリントして波板などの凹凸のある場所に貼れば、はがれてくる 確立はかなり高まります。 曲面や凹凸のある場所に施工することがわかっている場合は、迷わず キャストフィルムないし高級ポリメリック塩ビ製のシートを使うようにしましょう。 平面用のフィルムを使って 一時的にコストを下げても、剥がれがおきれば再出力、再施工と大幅赤字になることは必至です。 安物買いの銭失いにならないように気をつけましょう。 |
| ・タイリングして貼り合わせ、大きな面積の制作を施工しました。 長期に使うためラミネートもしてあります。 塩ビどうしを重ね貼りした両側にひび割れ、亀裂、剥離は生じました。どうしてでしょう? |
| まず、ラミネートすることでフィルムの収縮率は2倍になります。 一方、接着する糊の粘着力は2倍になっておらず、もとのままです。 使用された塩ビフィルムとラミネートフィルムの品質によっては収縮率の高い製品もあります。 また、印字するフィルムに高級品を使ってもラミネートフィルムでコストをけずり安物を使用すればせっかくの印字用のフィルムの性能を帳消しにする場合があります。 その逆の場合もあります。 また、ラミネートする場合、溶剤インクの乾燥が十分でないと溶剤がフィルムの中に閉じ込められ裏面の糊と化学反応を起こし接着力を著しく低下させます。 接着力が弱いままタイリングした印刷物を貼り合わせた場合、それぞれのフィルムがそれぞれのフィルムの内側に向かって収縮するため、貼り合わせた場所が上下左右に引っ張られることになります。 糊の接着力が確保されている場合はフィルムの収縮が起こりにくいのですが、フィルムの収縮する力に糊が絶えられなくなったとき、引っ張られたフィルムが破断し、亀裂が生じます。 貼り合わせたところは塩ビ同士なのではがれにくく、そこに亀裂が入ることはまれで、貼り合わせた場所の両側に亀裂が生じる場合がほとんどです。 とくに再剥離タイプのフィルムを使う場合はもともと接着力をおさえてあるため注意しないとこのような事故につながる恐れがあります。 大きい面積に貼り合わせ施工する場合は、基本的には縮みの少ない高級品を使うことを是非お勧めします。 ラミネートフィルムも安物は事故につながる確率が高まります。 さらにフィルムの乾燥を十二分に行い、施工後は貼り合わせた部分にスリットを入れ、万一フィルム同士が収縮しても、互いに引っ張りあわないようにしておくことが大切です。 施工する場所のゴミ、汚れの除去、施工温度、天候などにも十分注意する必要があります。 施工のやり直しは多大な損失につながる恐れが強いので十分注意して手抜きの無いようにすることが極めて大事です。 |
| ・印刷品質の不良は必ずしもフィルムの品質のせいではないと聞きましたがどういうことですか? |
| 現在一般に使用されているインクジェットプリンタはせいぜい1440DPI程度の解像度しかありません。 ポスターなどの屋外公告物を印刷するには一般的には360DPIとか高くても720DPI程度が普通です。 これでも数メートルはなれた位置から通常は見るものなので問題は無いはずなのですが、屋外公告物にオフセット印刷並みの印刷品位を期待するユーザーや顧客がいます。 5000DPIから8000DPIの精度のオフセット印刷は133LPI以上まで可能なスクリーン印刷の品質をインクジェットプリンタでプリントする屋外公告物に求めること自体が間違っていることはわかっていても、顧客の要望を満たすため、あるいはプレゼンの段階で他社との競争に勝とうとするため、近場でみてもきれいに見させるため、あえてドットゲインをあげてグラデーションがスムーズにでているようにプリントする場合があります。 インkジェットプリンタのドットが見えること自体がいやとおっしゃるかたもいます。 しかし、その場合はドットゲインをあげようとしてわざわざプリント温度を下げ、インクの乾燥を遅らせるため、ゴミの影響も受けやすいばかりか通常では出ない可塑剤やシリコンなどの影響をもろに受けるため白い点々や印刷ムラがでることになります。 場合によっては印刷物の両サイドに可塑剤の影響や印字ムラの起きる場合もありますが対外の場合、インクの乾燥が遅いことが原因です。 インクの吸収の良いフィルムを選択することも一法ですが、あえてドットゲインをあげようとするかたには解決になりません。 通常であればきれいなドットであるものを、きれいとみなしてもらえないからです。 この場合、万一グラデーションがきれいに出たとしても文字などのベタのエッジ部分のキレが悪くなり、カラーコントロールもほとんど不可能になります。ベタ同士が並んでいるところではお互いの色がにじみあったりする事故につながります。 いたずらにドットゲインをあげようとすることはおすすめできません。 |
| ・透明フィルムをガラスや鏡に水貼りしたら糊が白濁しました。 どうしたらいいでしょうか? |
| 塩ビシートを施工する前にかならず、それに使用されている糊が水貼りに適しているかどうかを確認してください。 一般的にエマルジョン系(水溶性)の糊の場合は水貼りには不向きです。 糊が親水性のため、糊が水に溶けてしまい、白濁したり、粘着力が落ちたりするためです。 一般的には溶剤系の糊の方が水貼りには適しています。 とはいえ、エマルジョン系の糊でも水貼りがまったくできないわけではなく、使用方法や注意事項を守って施工するようにしてください。 経験のないメディアの場合は事前にテストすることが重要です。 まず、水貼りする場合には糊が水についている時間を最小限度に抑えることが重要です。 長く水につけておけばおくほど粘着力の低下や白濁のリスクが高まります。 すばやく位置あわせを行った後は、これも間髪をいれず徹底的に水をスキージでかき出すことが重要です。 水が少しでも残った場所はその水と糊が反応し、白濁や粘着力低下の原因になります。 さらに施工する面のゴミや汚れを注意深く取り除いておくことが重要です。 ゴミや汚れがあるとその周りに水が残りやすく、白濁現象を長期化させ、粘着力の低下もさらに高まります。 とはいえ、このような白濁現象は一般的には一時的なもので、水分が徐々にフィルム面の孔を通って蒸発していけば糊は本来の透明性を取り戻し、白濁現象はやがては消えるのが普通です。 ただし、前述のゴミや埃があった場所では水分が余計に残りやすく、長期にわたり白濁現象が残ったり、そのゴミのせいでフィルムの光屈折率が変化しそれとわかるゴミとして認識されてしまう恐れもあります。 もっとも、これは水貼りとは直接の関係はありませんが、やはり、施工面のクリーニングには時間をかけて慎重に行う必要があります。 透明フィルムをガラスや鏡に施工するときに水貼りを是非とも行いたい場合は上記のような白濁現象がおきることを想定して、その乾燥に場合によっては3−4週間、場合によってはそれ以上かかることもあることを念頭にいれて施工のスケジュールを組む必要があります。 あるいは施主様にその旨のご理解を事前に得ておくことも有効です。 施主の事前の理解も得られないまま、ガラスや鏡面に透明フィルムを水貼りした場合、この白濁現象により、施主より検収を受けられない事態に発展するばかりか、やり直しを命じられる危険もあり、大損失につながるリスクもあることをご理解ください。 納期を急ぐ場合で、施主の理解を得られない場合は、水貼りは避け、空貼りで施工することをお勧めします。 そのためには、初期粘着力の弱い、再剥離タイプの透明フィルムを使うことも一方です。 これであれば再剥離タイプであるため、位置あわせ、位置直しが簡単で、施工も楽で事故につながるリスクを大幅に回避できます。 強粘着でありながら初期粘着力を抑えてある再剥離糊を使用した透明フィルムもORAJETでは用意してあります。 窓への施工や、車への施工に最適です。 |
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